ナイロン100℃ 百年の秘密@りゅーとぴあ

とにかく長かった・・・
でも、表現したいもののために必要な長さだったのだろうなと思えた。


ゆっくりと傾いていく資産家の家族とその人間模様を、
長く仕えたメイドが時系列を行ったり戻ったりしながら語る。
メイドが次に始まるエピソードの時候の説明をしている間、
舞台は薄暗く登場人物たちは一時停止みたいな状態なんですが、
メイドの台詞に合わせて一斉にちょっとした身振りをするのが面白かった。


長男にしか興味がない父親がすごいリアルでねー・・・
家族の中で長男だけに向かう特別な執着が長い時間をかけて、
母も妹も家族全員を愛している優しい長男をダメにしてしまう。
妹を見てやってくれ。母親に優しくしてくれ。
長男は折に触れて言うのに、全く全然届かない。
それがすごく悲しかったな。


忘れた頃に幼い頃の独善的な行いの報いを受けたり。
決定的な破たんをもたらした過ちの理由が、
あれもこれもそれもといくつも思い浮かんで、
結局どうしてと思わずにいられない感じとか。
お金で苦労しているときに弱り目に祟り目で、
ふいに不幸が舞い込んで来るだとか。
・・・人生人生!って感じがしたんだけど、
そうなると大樹の不気味描写はなんだったのかな。
釈然としないので、ちょっと考え込んじゃう感じ。