バーレスク


作りとしてはほぼミュージカルなんですが(実際私はそれを期待して行ったし)、
ダンスと歌はクラブのショーとして切り分けられているのでスッキリしてます。
唐突に歌ったり踊ったりするのがアウトって人でもこれなら大丈夫かも。


田舎から出てきた主人公が類稀な歌唱力でクラブのトップに登り詰める。
ここまではテンプレ。
クラブのトップに登り詰めたからには、そこを踏み台にして次へ。
上昇志向と義理人情のせめぎ合い、みたいな展開になるかと思いきや。
自分を育ててくれたバーレスクを裏切ることになっても、
もっと上のステージへってな展開は皆無なんですよねー・・・。
「君ならもっといいクラブで歌える」てな誘惑はもちろんあるんだけど、
金持ちのおっさんは主に恋愛面での逃げ場にしただけで終わっちゃう。
ショービジネスを舞台にしていながら、、
上昇のベクトルが全く感じられない展開でかなり驚きました。
バーレスクのトップになった時点で「上がり」なんですよね。
あとは恋愛と立退き問題というバーレスクの内輪の話にシフトする。
プラダを着た悪魔」でも主人公は最終的に自分の道を選ぶけど、
次の段階の「栄達への道」を示されて選択を迫られているわけで・・・
アメリカの人たちも疲れてんのかなと思った(まがお)。


金持ちのおっさんのプレゼントで主人公が食いついたのが靴で。
出たー! 靴!!って思いました。
靴好きといえば思い出すのはSACのキャリー。
イン・ハー・シューズでも姉ちゃんが高そうな靴を集めていて、
無断でそれを履いた妹に大激怒ってな展開があったし・・・
なんか、私たちにはわからない意味があるんだろうな。
とか考えて、毎回すごく興味深い気持ちになります。


シェールさんがバーレスク内では絶対のカリスマ女主人でありながら、
借金という現実的な問題に対しては完全に無力なお馬鹿さんでギャップ萌。
プラダを着た悪魔に出てたおっさんがキュートなゲイでこれまた萌。


衣装も歌も可愛くてキラキラしてて大満足です。
わかりやすい記号的なセクシーさは生々しくないし、
同じ女性として見てると気分が上がるな〜。
これは多分CDがDVDを買いますね。