飯嶋和一 出星前夜
前回黄金旅風を読んだときは、
図書館の返却期間が迫っていて相当駆け足になってしまったので、
ハンパないボリュームであることを肝に命じてゆっくり大事に読みました。
島原の乱が題材になっているというので読む前からワックワク。
同時進行でSHIRO@劇団新感線を見たりしつつ、たっぷり楽しませていただきました。
島原の乱で想起される「神の子」天草四郎的な俗な描写は一切なし。
四郎はこの物語では完璧な端役です。
ちらりちらりとは出てくるものの、踏み込んで書かれることはない。
飢饉に追い討ちをかける松倉家の容赦のない圧政に、
飢餓と疫病からの逃げ場を失った人々がキリスト教に立ち返り、
反乱に身を投じていくしかない。
その姿が淡々と描かれるのみです。
すごく重くて、リアリティがありました。
SHIROが好きな人には是非読んでもらいたいな!
作品に対する理解も深くなるし、
劇中の人物が出てくるのもとても楽しい。

島原の乱関連だと、
神に愛され捨てられた「奇跡の子」天草四郎を描いた、
藤田貴美のSHIMAVARAも必読だと思います!
SHIROパンフの関連書籍紹介に載ってなくて激怒したのよね。