下天の華


ネオロマまだ死んでなかった!
復活ってわけでもないのが微妙だけど。


いつものネオロマの作業量からしたら、短編か中編って感じ。
作業パート皆無ではないけどタイミング合わせてボタン押す程度で、
作業パートの成果がシナリオに影響するってこともないですし。
よく出来ていたからこそ物足りなさを感じてしまうのだけれども、
コンパクトな掌編がきちんと面白かったことに心底ホっとしてます。
ここのところ名作生んだシリーズを、食いつぶしてる感じだったので。


全体的な尺不足はいかんともしがたい。
あとは、デンジャラスラブ的な要素が主人公に偏っていたことがやや不満。
君を信じたい、でも。みたいに相手を苦悩させてこそじゃないんですか!?
基本自分しか苦悩しない。疑われた時のとりつくしまのなさったらないよ。
ラブの前に自分の命がデンジャラス。こことても残念でした。


えーっと買っては見たものの、君に決めた!というキャラがいなかった。
歴女の端くれとしては、選べません!なラインナップだし。
というわけで食指の動かないキャラから始めてみたら、
尽くシナリオ大当たりで悶絶するハメになったという。
なかの人のキャスティングは割と新鮮味があってよかったなぁ。
あ・・・また会ったね・・・というキャスティングが多い昨今なので。


名前は基本姫としての偽名で呼ばれるので、
声のためにデフォルトネームでやる意味はあまりないかな。

  • 家康

けんしょー先生に不安を感じて。最初にやっつけてやれと思ったんですが、まさかのイチ押しルートとなりました。いや、だってすごく可愛いシナリオなんですよ!! 気絶するレベルの女嫌いの克服を手伝ってやってくれってことで始まる交流なんですけど、徐々に心が通じていく過程がとても丁寧なのね。家康さんが苦手克服の階段を一段上がると、主人公も家康さんの美点に一つ気付く、みたいな感じで、二人の想いが深まっていくのがとても自然でした。最初目を合わせることもできなかった家康さんが、部屋までお出かけに誘いに来てくれた時は真面目に感動したよね。その性格故に後ろへ後ろへ下がっていくような子なのですが、実はとてもハイスペックなので前向きになっていく様には非常にときめいた。ゆっくり優しく話してくれるのには、癒されたし。気は優しくて力持ち的な子で、身体もでかいので主人公との体格差萌まで盛り込まれているという・・・言うことなしです。

  • 信行

いや・・・なんかこう・・・歴史的な意味でノーマークなキャラクターすぎて、え? 攻略キャラなの?という感じだったため、早めにやっつけておこうかと。家康ルートで黒幕だったわけですけど、攻略対象ともなれば黒幕は明智と交代とかそういう感じかと思ってたら、普通に黒幕のままで驚いた。でもまあ、信長さんがお兄ちゃんだったら私もこんな感じになりそうだな〜と思った。わからんでもないんだけど、傍から見ていて信長さんは相当信行さんのことが好きだし、信行さんも信行さんでどう考えてもブラコンなので、どうして兄を支えるって方向にシフトできなかったんかなぁと思ってしまった。みんな仲良し!の安土城が楽しかっただけに。でも、このシナリオはかなり新しかったです! 何を言われようともダメ男を信じて尽くし続け、最終的にどうにか立ち直らせるという未体験のルートだった。というか、このルートだとヒロインは信行。

  • 蘭丸

なんか、ぎゃーぎゃーうるさそうだなと思ったので早めに。とーこーろーが、このルートもすごくよかったのであった。なんかもう! 甘酸っぱいの!! 家康さんがその優しさにメロメロになったとすれば、蘭丸ルートはその真っ直ぐさにメロメロになる感じ。最初明らか面倒くさがってる感じで素っ気ないんですが、言葉を交わす内に姫と慕ってくれるようになるのがもう堪らないの!! 乙男な家康さんと違ってザ・堅物なので、どうしたら姫が喜んでくれるかという試行錯誤も微笑ましい。デレギレからの勘違いの嫉妬、そしてデンジャラスラブに苦悩してる最中そっぽを向いたままそっと手を握ってくれるなど、イベントがすべて当たりというフィーバー状態でした。このルートの秀吉はとてもいい仕事をしていた。私この手のキャラに全く食指が動かないタイプだったんですが、今回開眼してしまったかもしれない。

通常、私の大好物はこの系統なんですけれども。饅頭のスチルはすごい面白かったのだが・・・なんでしょうね、過剰摂取? もうちょっと年齢若い設定だと良かったのにと思う。無駄にミステリアス。無駄に策士。だからそれを主人公に対して発揮してこそ意味があるんでしょ!? ネオロマなんだから。優秀なのは間違いないんだけど、身を削った努力で担保されてて、頑張り過ぎに過労死という言葉が何度も脳裏をよぎる。狡賢いのかと思いきや、自分に関しちゃ捨て身だし。さすがに、デレた時はさすがにニヤニヤした。んだけど、デレたとたんに数打ちゃ当たる方式で貢いできたのにはズっこけた。策士どうした策士。という具合に、なんだかちぐはぐだった。最後もまさかの主人公待ち。迎えに来いよ! 全くもう。クール策士キャラのはずが実は、に萌えることはできなかった。見た目通りでよかったのに。のに。でも嫌いじゃないのが、三つ子の魂百まで的。

  • 秀吉

なかの人が好きなので残しておいた。キャラデザ的にはアウトですが、この人のルートもすごくよかった。秀吉さんは戦国のスーパースターなんで、杜撰に扱われると激怒する私ですがこのルートは文句なしです。こんなに主人公にきちんと向き合ってくれたキャラってネオロマ史上初めてかもしれないよ。忍びとして生きる主人公に、新しい生き方を示して導いてくれるとか・・・さすがの秀吉さんすぎて言葉も出ない。忍びであるほたるちゃんが一番救われるルートは、秀吉さんのルートだと思う。しかし、その素晴らしさに対してあんまり萌えはなかったのは何故なんだぜ? というのも、秀吉の器がでかすぎるせいだと思った。主人公相手に感情的になるってことがほぼなかったからね。包容力がすごすぎてだな。うーん、匙加減って難しい。

  • 信長

一応最後に残したのですが、予想外に普通でした。本能寺の変回避のためのもろもろが、とてもネオロマ!って感じだった。無駄に派手かつ、壮大なところも含めて。


あとは師匠とバッドエンドが残っている状態で放り投げています。
ネオロマはまだやればできるということが判ってよかった。
シナリオさておきで勢い勝負キャラ勝負、
しかし当たるとでかい博打系乙女ゲーもいいですが、
きちんとした「ゲーム」だと信頼できる二強の一角に、
崩れてほしくはないのでね・・・私ネオロマ派だし。
是非ファンディスクを出して欲しい!


新作はこれくらいの抑えたボリュームで出して、
評判様子見してからファンディスクを繰り出してくる。
みたいな戦法を今後取ってきそうでちょっと心配かな。
たまにだったら掌編もいいけどさ。


あ、ようやく「作中に」キャラソンを盛り込んできたので、
ちょっと感動した・・・かくあるべしですよ・・・