劇団☆新感線2011年夏興行 いのうえ歌舞伎「髑髏城の七人」@青山劇場


まさか新感線で自前スローモーションにお目にかかる日が来ようとは。
髑髏城初体験は染さまのアオドクロ@ゲキシネ、です。
うーむ・・・いろいろとちぐはぐな印象であった・・・
天魔王と捨ノ介の二役をやめたことによって、
捨ノ介のベクトルが完全に過去に向いて、
天魔王と蘭兵衛で手一杯になっちゃった感。


この・・・存在感のなさは一体・・・
「七人」のほうに寄るとむしろ勝地君が主役だし、、
「三人」のほうに寄ると天魔王と蘭兵衛の強烈さに負ける。
捨ノ介って端的に言うとアニキだと思うんですけど、
包容力というか・・・義侠心かなぁ?
きっとなんとかしてくれる!なアニキ成分が不足していた。
アニキ成分の不足故に狭霧がらみのすべてが唐突に思えたし、
髑髏城の「七人」になるための繋がりみたいなものも見えなかった。
浮世の義理どころか自分の過去すら捨てることができなくて、
天魔王や蘭兵衛をまだ諦めきれていないように感じたので、
狭霧のために身体張っちゃうのが殊更違和感があったなぁ。
・・・あと・・・一番弱そうだった・・・(殺陣的な意味で)


仲ちゃんはもう声潰れちゃっててー・・・(悲)
すごく無愛想で警戒心むき出しの狭霧で。
無界の里に来ることになった経緯と長で天才と思うと、
私はこっちのほうが好きなんですけど、
もうちょい可愛げが欲しかった気がする。
おぐりっしゅの捨ノ介との相性的に。


栄子姐さん、ピンクの着物似合わないwww
期待通りの女っぷりでした。戦闘服かわゆす。
一蘭兵衛があまりにも孤高すぎて、この2人他人に見えちゃって。
だもんで、蘭兵衛にとどめをさすところがただの妄執に見えた・・・
お互い憎からず思ってたんならともかくさ。
無界の里を築いた同士って感じすらしない取り付く島のなさなので、
蘭兵衛の信頼によって裏付けられるはずの太夫のすごさみたいなもの、
雑賀の残党の頭領としての冷静さと女としての悲しみみたいなものが、
もやもや〜っと遠ざかっちゃった気がしてそこちょっと残念だった。


勝地君はもんのすごく良かったです!
台詞もよく通ったし、やりきった感。
そしておぐりっしゅよりはアニキだったよ・・・
捨ノ介がぐぐっと過去寄りに引っ張られちゃったもんだから、
髑髏城の七人的な視点から見ると主役は勝地君だよなー。
髑髏城に入ってからみんなを引っ張っていくのも勝地君だし。


未来ちゃんはとっても楽しそうでよかったです。
非常に良い天魔王だったのではないかと・・・
しかし、ストーリ展開的には小悪党。残念!
このまま反乱成功しねーかなー・・・と思わず思ってしまったもの。
一人だけ異次元な太一様の殺陣にどうにか対張ってくれて、
その存在に全力で感謝!という気持ちになりました。


太一様の殺陣は、相変わらず圧巻でございました。
サービスシーンを満載されても、不満の欠片も感じないってすごい。
いいぞいいぞ! もっとやれ!!
捨ノ介と同じで、過去を引きずりまくりの蘭兵衛でした。
この蘭兵衛なら当然天魔王側についちゃうよね、ととても納得。
これはもう太一様をブっこんだ時点で起こるべくして起こることなんだけど、
キャスティングすると力関係の設定が確実に崩壊しますよね。
かといって太一様主役というのも難しそうだし。
ラスボスがいいのではないだろうか。
あ、でも勝てっこない・・・ってなっちゃうか。うーん・・・


キャスティングの派手さにはそらもう興奮したんだけどな。難しいな。