大規模修繕劇団 旗揚げ公演 血の婚礼@りゅーとぴあ


難しかったです。
このところ慌しく過ごしていたので、観劇のためのコンディションじゃなかったこともあり。前半何回か意識を失いかけてしまいました・・・万死に値する! 蜷川さんの舞台はシェイクスピアしか見たことがなかったので、その流れでストレートプレイだろうという思い込みがあったのですが、なかなかどうしてDon't think, feel 系統の舞台でありました。こういう舞台は初めてじゃないんですが、今まで見てきた中でも格段に難しかったです。言葉で上手く説明できないけど、こういうことを言いたいんだろうな程度の手ごたえはあるもんなんですが、なんかもう全然水を掬おうとするみたいに掴めませんでした。母上様が清水邦夫の脚本は難しい・・・って何回も言ってたのに、聞き流してたら罰が当たったよね。こういう舞台を見るとわかり難くすればいいってもんじゃないでしょという反発と、舞台でしか表現できないものがあるとしたらこういうものなのかもしれないなって感慨を同時に味わいます。


舞台装置や見せ方はやっぱりスマートだしカッコよかったです。開始と同時に舞台上のキープアウトの黄色いテープが風に飛ばされるみたいに、パっと消えた時はハっとしました。前半ばっしゃばっしゃ降ってた雨で、停電後の静寂がすごく際立ったし。思い出すと楽しくなりますね。


あれほどの勢いで上り詰めた若手俳優って、私の記憶の中では後にも先にも彼しかいないんですよ。かつての「スター」の今を確かめたいという下世話な理由で見に行ったところもなきにしもあらず。個々の俳優さんのスター性が確認できるような舞台ではありませんでしたが、目立つから見ちゃうのか、気になるから見ちゃうのか、やっぱり見ちゃいますよねぇ・・・思いの外声も通ったしカツゼツも良かったです。やっぱりお声が良いんですね。狂言回しポジの田島優成君の声が嗄れちゃってて、そこに演出で振り続ける雨が被さって、台詞がクリアに伝わってこなかったのは残念だったな。出だし躓いた感。


この路線でいくなら、いつしか寺山修司とかやってくれそうで期待。てっきりガチで血の婚礼をやると勘違いしていたので、オリジナルの「血の婚礼」が見たくなりました。