FROGS@銀河劇場 3月22日 マチネ ウラガエルバージョン
        3月22日 ソワレ

他所様でレポなどいろいろ拝見した結果、
ミュ関連・ミュ後の舞台として一番評判よさそうだな〜って感触だったので、
まんまと再演があったので行って参りました!

これはとてもいい舞台!
若手のためだけの脚本で若手のためだけの舞台。
それを本当に等身大の子たちが演じるのを見ることができる。
こんなことって滅多にないような気がする。
駆け足すぎて物足りないところもあったりするけど、
そこも含めてこの舞台の良さのような気がしました。
ダンスが好きでそれぞれに壁にぶちあたってでも乗り越えて、
どこまで行けるんだろうと歌う。
舞台上でのカエルたちの姿は、
まんま現実での彼らの姿と重なっていく気がしました。

ウラガエルはちょっと物足りない感じがしたのですが、
オモテみて理由がわかったような気がしました。
ウラの子たちのほうがダンスに圧倒的に上手い。
ウラの子たちが縁の下の力持ちで支えてくれているからこそ、
オモテの舞台が締まるし魅せてくれる。
オモテの子たちがウラに回ると支えきれないところがあって、
そこが物足りなさに繋がっちゃうのかなって感じました。
脚本はキャストありきの当て書きなのかな〜?
とぼんやりうっすら思わせられるところがありました。
ミュでやっていた役のイメージに近すぎもせず遠すぎもせず、
立ち位置的には重なってまさにドンピシャ!で、
どーりとるいとはハマりすぎ。
ウラのほうがリアリティーがあって、
こんな子たち本当にいそうだなって感じがしたんですが、
それはキャラがぼやけて、
立ってないということでもあるかもしれなない・・・むむむ。
漫画みたいに極端にキャラ立ちしたオモテも、
現実感のあるウラもどちらも私は好きになりました。

どーりはブレイクダンスだと他のキャストに水をあけられちゃうけど、
群舞の中での際立ちぶりと美しさは異常。
やっぱりセンターに立つべき子なんだなぁと心を打たれました。
るいとのダンスは見てると楽しくて仕方ない。
ダンスとなるとやっぱり誰よりもるいとを目で追ってしまう。
群舞になっちゃうともったいないな!って思ってしまうくらいでした。
風間くんのアマネはるいとのアマネよりも大人に見えた。
るいとは無邪気、風間君はお調子者って感じ。
風間君の笑顔はなんかとってもシニカルな感じがして、
悪い男の人に見えた。セクシーですね。
あとウラのフクロウとアマネのほうが自然に友達に見えた。
4匹のカエルの中ではアマネが一番好きになってしまったので、
二人とも好演だったと思います。

物語の中で乗り越えるべき壁は、
フクロウとカケルは割りと明確だったんですが、
アマネとテルは「なるほどなるほど!」って感じで。
この2人のエピソードがより強く胸に響きました。

カケルとアマネが向き合って最後の最後で、
アマネがダンス楽しみよりカケルを優先させたこと。
今までアマネのトリックスター的な行動の原動力になっていたダンスより、
カケルのためにカケルのことを考えての行動なんですよね。
ダンス(自分)よりも他人のことを優先する。
そこで自身のトリックスター的資質を克服して、
幼年期の終わりを迎えたのかな〜って。
カケルもそれに応えて、
楽しいだけのダンスじゃなくて、
戦うための、でもきっと楽しさを忘れない人間のダンスを選ぶ。
そこで不覚にも涙しそうになりました。

やる気のないカケルを引っぱって懸命に人間に戻ろうとしていたテルが、
「本当に人間に戻りたいか?」という問いかけに立ちすくむ。
カケルにはダンスがあるけど、自分には何もない。
そこでテルを引き上げてくれるのは、
カケルじゃなくてフクロウなんですよね!
大人の言うとおりにしてきたから自分はからっぽだと、
ついさっきまで嘆いていてでも飛び出したフクロウ。
そこでテルのために口を開いたフクロウの台詞が、
この舞台の中で一番印象に残っています。
パンフレットみたら植原君も一番好きな台詞にあげてて、
なんかうれしかった。うんうん。これは大事な台詞。

カケルとアマネ。
テルとフクロウ。
人間とカエルは似たもの同士の光と影の対になってるんですね。

克服すべき問題が見えなかった2人のエピソードのほうが、
印象に残りました。
きちんと4者4様のエピソード。いい舞台でした。
満足満足。